
包茎手術において、使用される縫合糸は大きく分けて「吸収糸(抜糸不要タイプ)」と「ナイロン糸(抜糸タイプ)」の2種類があります。それぞれには独自の特性があり、手術の結果や術後の経過に影響を与えます。
【吸収糸(抜糸不要タイプ)の特徴】
【ナイロン糸(抜糸タイプ)の特徴】
縫合糸の選択は、手術の仕上がりやアフターケアの面で重要な要素となります。吸収糸は通院の手間が省ける利点がありますが、ナイロン糸は仕上がりの美しさに優れているというトレードオフがあります。
さらに、縫合糸の種類によって料金体系が異なるクリニックもあり、追加料金が発生する場合もあるため、事前に確認することが大切です。
包茎手術で吸収糸を使用する場合の最大のメリットは、抜糸のための再来院が不要という点です。特に仕事が忙しい方や、クリニックから遠方にお住まいの方にとって、この利点は非常に大きいと言えます。
【吸収糸のメリット】
一方で、吸収糸にはいくつかのデメリットも存在します。特に治癒過程や仕上がりの美しさに関わる点が挙げられます。
【吸収糸のデメリット】
特に注目すべき点として、吸収糸は勃起時の痛みに関連します。包茎手術では亀頭のカリ首の根本に一周糸がつきますが、勃起すると竿は横に太く広がるため、糸がついている部分での締め付けが発生し痛みを感じることがあります。これは特に睡眠中の無意識の勃起時に問題となり、吸収糸の場合は約4週間この状態が続く可能性があります。
また、吸収糸は体の免疫反応によって一部が溶けていくため、人によって溶ける速度に差があり、予測がつきにくい面もあります。体質によっては予想以上に長く残ることもあります。
包茎手術を検討する際に注意すべき点として、表面上の手術費用以外に発生する「隠れたオプション料金」の存在があります。吸収糸に関連するものを含め、どのような追加料金が発生する可能性があるのか把握しておくことが重要です。
【よくあるオプション料金】
特に注意が必要なのは「抜糸代」です。一部のクリニックでは、吸収糸を使用した場合でも、糸が完全に溶けず残ってしまった場合に抜糸が必要になると説明し、追加料金を請求するケースがあります。
また「小帯温存・形成」に関しても、手術の基本テクニックであるにもかかわらず、オプションとして高額な追加料金を設定しているクリニックがあります。小帯(フレナム)は性感帯として重要な部分であり、その温存や形成は包茎手術において基本的な配慮事項であるべきです。
このようなオプション商法の背景には、「手術さえ終わってしまえばもう会いたくない」「トラブルが起きても再来院の約束がなければクレームになりにくい」といったクリニック側の思惑が隠れていることもあります。
実際に良心的なクリニックでは、縫合糸の種類に関わらず追加料金を設けていなかったり、吸収糸を選んだ患者でも糸が溶けにくい場合は無料で抜糸を行ったりしています。
包茎手術後の生活において、吸収糸を選択することは日常生活や回復過程にさまざまな影響を及ぼします。特に男性特有の生理現象との関係で考慮すべき点が多くあります。
【吸収糸と術後生活の関係】
吸収糸は約4週間かけて溶けていくため、その間は勃起時に痛みを感じることがあります。特に睡眠中は無意識に勃起することがあるため、痛みで目が覚めることも珍しくありません。一方、ナイロン糸なら2週間程度で抜糸でき、その後の不快感は大幅に軽減されます。
吸収糸は水分に触れると分解が進むため、長時間の入浴や強いシャワーの直接的な当て方によっては、糸の強度が早く低下する可能性があります。ただし、適切な防水処置をすれば問題なく入浴も可能です。
ナイロン糸より太い吸収糸は、激しい運動による摩擦で不快感を感じやすく、術後約1ヶ月間はスポーツなどの激しい活動に制限がかかることがあります。
吸収糸の場合、糸が完全に溶けるまでの間、縫合部の清潔を保つことがやや難しいという側面があります。糸の周囲に分解物が残り、これが炎症の原因となるケースもあります。
「糸はちゃんと溶けているのか」「この経過は正常なのか」といった不安が生じやすく、再診での医師の確認ができないため、精神的な負担が大きくなることがあります。ナイロン糸なら抜糸時に医師のフォローアップがあるため安心感があります。
また、特に注目すべき点として、縫合糸の選択は傷跡の美しさにも大きく影響します。細いナイロン糸を使用した方が、太めの吸収糸よりも傷跡が目立ちにくく、よりきれいに治る傾向があります。これは「太いピアスと細いピアス、どちらが傷が落ち着きやすいか」という例えで考えるとわかりやすいでしょう。
包茎手術を検討する際、医師からは必ずしも詳細な説明がされないことも少なくありません。特に吸収糸に関しては、「抜糸が不要で楽」という利点だけが強調され、他の重要な情報が伝えられないケースがあります。ここでは、医師に質問すべきポイントと、患者自身が考慮すべき選択基準を解説します。
【医師に質問すべきポイント】
【吸収糸選択の際の考慮点】
仕事の都合や居住地など、再来院の難易度を考慮します。遠方に住んでいる場合や多忙な場合は、吸収糸が便利かもしれません。
勃起時の痛みが約4週間続く可能性を受け入れられるかどうか。特に性的活動が活発な若年層は注意が必要です。
美容的な仕上がりを重視する場合は、ナイロン糸の方が細く、より美しい仕上がりが期待できます。
医師の術後チェックを希望する場合、抜糸を必要とするナイロン糸の方が、定期的な経過観察の機会が確保できます。
抜糸不要を強調するクリニックの中には、「手術後のケアをしたくない」という隠れた意図がある場合もあります。術後のサポート体制が整っているかも重要な判断基準です。
患者自身が知っておくべき重要な事実として、良心的なクリニックでは縫合糸の選択による追加料金は発生しないか、あっても最小限に抑えられています。また、吸収糸を選んだ場合でも、溶け残りがあれば無料で抜糸に対応するところもあります。
クリニック選びの際は、手術費用の透明性や、術後のサポート体制についても十分に調査することをおすすめします。安易な料金の安さだけでクリニックを選ぶと、後からさまざまなオプション料金を請求される可能性があるため注意が必要です。
包茎手術は一生に関わる大切な決断です。十分な情報収集と比較検討を行い、自分に最適な選択をしましょう。特に吸収糸については、通院の手間と仕上がりの美しさのバランスを考慮した上で選択することが重要です。